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読書メモ:数学ガール2 フェルマーの最終定理


以前、読書メモを書いた『数学ガール』の続編です。今回もコンピュータサイエンスでよく使われるトピックが多く、非常に役立ちました。

数学ガール2』では、背理法、複素数、格子点、群・環・体、無限降下法、楕円曲線、オイラーの公式、そしてフェルマーの最終定理の部分的な証明などが登場します。主人公や登場人物たちが実際に演習しながら進めていくため、楕円曲線暗号の基礎となる数学の知識を理解するのに非常に役立ちました。
また、結城浩先生の『群論への第一歩 集合、写像から準同型定理まで』も読んでいたので、より深く理解することができました。
このペースで数学の理解を深め、暗号モジュールのソースコードについても、より明確に理解できるようになりたいと思います。

物語についてはネタバレになるので詳しくは触れませんが、今作では従妹のユーリちゃんが加わり、1巻でテトラちゃんが担っていた役割を引き継ぎつつ、より深い数学的洞察を与えてくれる点が最高に楽しめました。また、テトラちゃん自身の数学的センスの成長も見られ、主人公に肩を並べるほどの実力を発揮する場面もあります。とはいえ、ドタバタな彼女の性格は変わらず、数学のハマりどころを補足してくれる存在としても健在でした。

数学の応用トピックに関しては、ミルカ様の「オラオラ」な進行に置いていかれそうになりつつも、他の登場人物たちが難解な部分を補ってくれるため、読者も一緒に学びやすくなっています。この巻で『数学ガール』の公理が完成したと言ってもいいのではないでしょうか。

さらに、物語にはさまざまな出来事が盛り込まれており、(メンズの)人生の逆元のようなライトノベルらしいハーレム展開も楽しめました。(まさか従妹のユーリちゃんまで主人公が……!)
そして、数学者が数学にかける人生と、登場人物たちの青春の儚さが対比される切なさもあり、最後まで最高に楽しめました。

早速ですが、『数学ガール3/ゲーデルの不完全性定理』を購入しました。
次巻では、テトラちゃんの数学センスがついに開眼するのでは……と予想しています。

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