技術 ブログ

読書メモ:数学ガール4 乱択アルゴリズム




数学ガール/ゲーデルの不完全性定理(数学ガールシリーズ 3)」に続き、「数学ガール/乱択アルゴリズム」も取り急ぎ読みました。理由としては、仕事にも役立つアルゴリズムに関する内容だからです。SI企業などでは、アルゴリズムよりもビジネスのフローやロジックがシステムに落とし込まれていることが重要だと思いますが、ブロックチェーンやスマートコントラクトでは、より効率的な実装が必要となる場面が多いと感じたためです。

実際の内容としては、これまでの数学ガールシリーズよりも分厚い印象を受けました(約460ページ)。それでも、期待を裏切らない内容の濃さでした。

印象に残ったのは「モンティ・ホールの問題」です。WEB上での情報を読んでも直感的に納得しにくかったのですが、「確率を煮詰める」という表現でかなり納得でき、最高のアハ体験でした。そして、数学では確率や行列、ケーリーハミルトンの定理、ランダムウォーク、NP完全問題、アルゴリズム系ではリニアサーチからO記法、Θ記法、Ω記法、バイナリサーチ、バブルソート、比較木、クイックソートなどを経て、最後に乱択アルゴリズムとスターリング近似で合流するという感じで、ハラハラドキドキの連続でした。仕事に関連するから余裕で読めるかと思いきや、かなり難しい内容でしたが、アルゴリズムの定量評価やアルゴリズムリサーチを学べたことは大きな収穫でした。

ストーリーについてはネタバレになるので詳細は省きますが、今回のミルカ様はレイヤーが一段階上がった印象です(笑)。過去に兄を失った傷が明らかになりつつあり、上のレイヤーへ昇華しようとしている感じが伝わってきました。テトラちゃんは完全に主人公を食ってしまうほどの成長を遂げており、将来はアルゴリズム系の研究者になるのでしょうか。新キャラのコンピュータ少女リサちゃんは、今後、双倉家のベールがはがされるにつれて明らかになることを期待しています。今回はリサーチエンジニアとして実装屋の立ち位置で登場という感じでした。ユーリちゃんの数学ガールの中での天才肌は相変わらず、そして数学のできる〇氏がすでにできてしまいました・・・。

基本情報技術者試験の勉強で、仕事の後に一生懸命ソートやリストのアルゴリズムを勉強をした日々を思い出しつつ、資格試験では身につかないファンダメンタルな知識と応用知識が身につく素晴らしい内容でした。

そして、次巻「数学ガール/ガロア理論」で、楕円曲線暗号でも使われている群環体の知識を補充していこうと思います。

4巻からは、まったく先の展開が読めません(確変?)。8月に出版予定の最終巻「数学ガール/リーマン予想」までに、どのように物語が纏まっていくのか・・・楽しみです。

コメント投稿フォーム

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です