はじめに

オプション取引の仕組みについて最近調べており、オプション取引と先物取引がかなり結びつきが強い商品であることがわかりました。

例えば、カバードコールなどの戦略をとるには先物取引の知識も必要です。

先物取引自体、レバレッジが掛かっており、リスク（価格の変動の幅）が大きいため、一日中チャートを気にしなければならないため、個人的にはトライする予定はありませんが、最も人気のあるNIKKEI225先物の商品概要を勉強したいと思い購入しました。

この本について

この本では、リスクのより高い個別株や石油や麦などのコモディティの先物ではなく、NIKKEI225という日経平均株価の指標を使った先物である、NIKKEI225ミニとNIKKEI225ミニの取引方法を説明した本です。

それでは、以下にて分かったことをまとめます。

NIKKEI225先物

まず、先物とは何なのかおさらいします。

先物とは、英語でfuture contractとなります（いくつか他にも訳があります。furtures等）。

これは、英単語から想像できるように将来（future）に買うまたは売る契約（contract）ということです。

例えば、あなたが来年の5月に農家からお米を5キロ1000円で買う契約をするとします。

そして、来年の5月になり、お米が5キロ2000円が相場ならば、あなたは転売すれば1000円の儲けになり、相場がもし800円ならば、転売すると200円損します。

これは、農家とあなたと一対一の取引なため先渡取引と言います。

これをあなたも含め、多数の農家やお米が欲しい多数の業者が多対多で、来年の5月のお米値段を売買しあうことを先物取引といいます。

このお米を日経平均として知られるNIKKEI225の価格に設定して、来年の5月というのをSQ (Special Quatation) 月と呼び、お米の代わりにSQ月のNIKKEI225の価格を予想して取引し合うのがNIKKEI225先物です。

この、SQ月のSQ日のSQ値にて取引が終了します。

このSQ月というのは、NIKKEI225ラージは年4回（3か月ごとに）あり、NIKKEI225ミニは毎月あります。

ようするに、SQ日になると取引が強制決済するので、その際は別のSQ日のNIKKEI225取引を開始します。

また、NIKKE225先物は、非常にレバレッジが高くなっています。

NIKKEI225ラージは、レバレッジ1000倍、NIKKEI225ミニは、レバレッジ100倍です。

これは、NIKKEI225先物価格が300円上下するだけで、NIKKEI225ミニでは3万円、NIKKEI225ラージではなんと30万円もの金額が上下します。

そのため、外国為替証拠金取引（FX）の25倍よりはるかに高いため、SPAN証拠金も多大に必要になります。

取引手法

この本では、テクニカル分析を中心として、ファンダメンタル分析も取り入れつつトレンド（上げもしくは下げが継続する動き）をフォローする取引方法が中心となっています。

FXの取引を学んだことがある人ならば、おなじみの方法です。

基本的には、トレンドを読みながら、ファンダメンタル分析で使う指標などで定量分析および株価に影響する経済ニュースなどで定性分析を行い、自分で戦略を立てて取引する形となります。

印象的にだったのは、スイング（一週間前後）でのテクニカル分析だけでなく、デイトレードの内容が充実していました。

マーケットプロファイル分析によって、取引開始時間の最大最小の取引値幅を調べ、IR(Initial Range)ブレイク戦略を立てたり、板と歩み値を読み取り、大口投資家による売買トレンドを把握する方法など、大変わかりやすくまとまっておりました。

まとめ

この本は、先物取引の仕組みの教科書というより、個人トレーダーに対して先物商品の取引方法を教える教科書といった感じの内容です。

全体を通して図や説明がわかりやすいため、先物のトレーディングをしたいが全く知識が無い場合、最初の一冊として最適ではないでしょうか。

しかし、SQ月SQ日へ向かって日経平均の現物価格に収束していく状況での取引方法や、日経225ETFや平均配当値などを使って理論値を算出して売買するアービトラージなどプロ向けの内容は触れられておりません。

総じてNIKKEI225先物は、レバレッジが非常に高いため、リスクを許容しつつ比較的短期間で戦略的に取引できる人向けではないでしょうか？（リスクを考慮して取引しないと損失で生活が破たんするかもしれません）

ここまで読んでくださりありがとうございました。