読書メモ:ETFハンドブック
こちらは、過去に読んだ本の読書メモです。近年では、NISA(少額投資非課税制度)などが注目され、投資を始める人が増えたことで、「ETF」という言葉を耳にする機会も多くなってきました。
ETF(上場投資信託)は、通常の投資信託とは異なり、証券市場で株式のようにリアルタイムで売買できるため、売買に数営業日を要する投資信託と比べて利便性が高い金融商品です。また、価格や情報がオープンかつ明確である点も、個人的には非常にわかりやすく、扱いやすいと感じています。たとえば「VOO」というETFは、情報が下記のリンク先のように公開されており(※英語ですが)、投資判断の材料として非常に参考になります(※VOOを推奨するものではありません)。
とはいえ、多くのサイトでETFが勧められている一方で、その詳細な仕組みについてはあまり触れられていません。リアルタイムで指数に連動しつつ、原資産をどのように保有・運用しているのかに関心を持ち、この本を手に取りました。
本書はプロ向けの内容で、金融の専門用語が多く非常に難解に感じましたが、数式自体はそれほど複雑ではありませんでした。ただし、実務経験がないと、LMM(リード・マーケット・メーカー)や指定参加者(AP)、ETFバスケットや原資産といった登場人物・仕組みがどのように連携して取引されているのかを具体的にイメージするのは難しく、理解に苦労しました。
それでも、ETFという商品がこれほどまでに複雑な仕組みと多くの関係者の努力によって、原資産との価格乖離を防いでいるという事実には、大きな驚きを覚えました。実際の金融システムとしても、非常に高度な設計・実装がなされていることが想像されます。
ETFは、仕組みを知らずとも売買することは可能ですが、金融に関わる方や、その裏側にある仕組みに関心のある方にとっては、非常に有益な情報源となる一冊だと思います。
また、最近ではビットコインETFなど仮想通貨を対象としたETFも登場しており、本書では通貨ETFやETN(上場投資証券)などについても触れられています。これにより、金融商品の視野をさらに広げることができました。