読書メモ:Clean Code アジャイルソフトウェア達人の技

これは、Robert C. Martin(通称アンクル・ボブ)の名著『Clean Code』を読んだ際の読書メモです。
コードを理解する力、すなわち「なぜこのようなパッケージ構成になっているのか」「変数やクラスはなぜこのように命名されているのか」「メソッドや関数の粒度はどう決めるのか」といった観点を鍛えるために、さまざまなプロジェクト(オープンソースプロジェクトからエンタープライズプロジェクト)が参考にした書籍を読むことが有効だと考え、『Clean Architecture』と並んでこの『Clean Code』も手に取りました。ざっくり言えば、『リーダブルコード』(約250ページ)の内容をさらに深く、体系的に解説した書籍という印象です。
- クラス、変数、関数の命名規則
- 関数の粒度と構造
- コメントの使い方
- オブジェクトとデータ構造の設計方針
- エラー処理の方法
- サードパーティAPIなど外部境界のハンドリング
- 単体テストの考え方
- クラス構成やシステム全体の設計
- 同時並行性の扱い
本書はまず、クリーンコードとは何かを定義する原理原則から始まります。その後、以下の内容について具体的に指南しています:
特に前半の13章までは、Javaに詳しくなくてもオブジェクト指向の基礎が分かっていれば理解しやすく、各章ごとに細かい事例や原則が丁寧に解説されています。
14章では「継続的解消コマンドライン引数のパーサを用いたケーススタディ」と題して、前半で学んだ原則を実際のコードに適用する演習が行われます。しかし、扱うコード量が多く、自分のワーキングメモリーの範囲を超えてしまったため、理解は半分程度に留まりました。
最後のまとめ(17章)では、リファクタリングすべき箇所を特定するためのチェックリストや具体例が示され、実践的な指針として活用できます。
総括すると、『Clean Code』のポイントは以下の通りです:
- 命名規則やクラス・関数の設計は、人が読むことを前提にし、上から読んでも理解できるようコンパクトにする
- 関心事が異なる複数の処理を、1つの関数(メソッド)にまとめない
- 原則を理解した上でリファクタリングを行い、可読性と保守性を高める
この書籍を通じて、コードを「書くこと」だけでなく、本人および他の人がコードを「読むこと」を意識する重要性を改めて実感しました。プログラムの書き方は理解できても、保守性の高いコードや、オープンソースで他のプログラマが参加しやすいコードの書き方には悩むことがあります。その点で、こうした課題に悩むエンジニアにとって非常に役立つ内容だと思います。